ねとらぼに「すっきりフルーツ青汁の不当表示で訴訟」の取材記事が公開されています

ねとらぼで「「初回630円」のはずが1万円以上の注文に 誤認トラブル相次ぐ「すっきりフルーツ青汁」を消費者団体が提訴 」が公開されています。

「初回630円」のはずが1万円以上の注文に 誤認トラブル相次ぐ「すっきりフルーツ青汁」を消費者団体が提訴

「初回630円」のはずが1万円以上の注文に 誤認トラブル相次ぐ「すっきりフルーツ青汁」を消費者団体が提訴 (1/2) - ねとらぼ

2018/1/19、「すっきりフルーツ青汁(ブランド名: ファビウス)」などを販売する、「株式会社メディアハーツ(本社 東京都渋谷区渋谷、代表取締役 三崎優太)」に対して、適格消費者団体「消費者被害防止ネットワーク東海」により差止訴訟が提起された件について、両者に取材した記事でそれぞれのコメントも掲載されています。

メディアハーツ側

これまでの差止請求に関して、メディアハーツ側の主張は公開されていませんでしたが、表記などに関して変更の予定はないと明言された形です。適格消費者団体から何度も差止請求されトラブルが多いことは明確でありながら変更しないというのは、三崎優太氏の「コンプライアンス(法令遵守)には最も力を入れている」「業界を健全化していく」といった発言とは異なるように思います(「三崎優太氏の発言」 参照)。

また、「すっきりフルーツ青汁」以外の「すっきりやさしい乳酸菌」「ノーメイクダブルアイズ」「NANO CLEAR」なども対応しないとコメントしてます。

消費者被害防止ネットワーク東海側

消費者被害防止ネットワーク東海の主張は、これまで通り、Web サイトの申し入れ・差止請求・訴状から確認できます。

取材では「すっきりフルーツ青汁」について、相談や情報提供が絶えず、各地の消費生活センターに同様の相談が多く寄せられているとコメントしています。

メディアハーツの見解と消費者被害

ねとらぼの記事では、訴状を元に取材がされ、残念ながらよりつっこんだ取材はされていません。適格消費者団体の活動では、被害防止にしかならず、既にトラブルや被害に見舞われた方への救済はありません。ここでは、その点などを踏まえ、ねとらぼの記事を元に消費者被害の観点で、補足説明します。

メディアハーツのコメントは2018年2月現在に改善していることについてのみ言及しています。言い換えると、過去の申し入れ・差止請求や Web サイトを確認すると、以前は対応していなかったことがわかります。そのときに被害にあった方については、どう考えているのでしょうか。

重要事項の説明

申込みボタンを押すと、自動的に重要説明の画像に飛ぶようにもなっています。

三崎優太氏の発言 によると、2017年1月以前まではそのような対応をしていなかったことがわかります。また、2017年12月20日時点で画像へ遷移しないことを確認しています(サイトの動作を頻繁に変更している?)。

2016年6月時点 では、ねとらぼで掲載されている重要画像もありません。2015年10月時点 では、サイトに総額の表示もありません。

確認のチェックボックス

送付先などを入力した後には、募集要項を確認したかどうかのチェックボックス

→ 2016年4月29日に「ご利用規約に同意して申し込みます」にあらかじめチェックが入っていることをはずすよう 申し入れ されており、2017年1月 時点でもチェックボックスにあらかじめチェックが入っています。

確認画面

―― ネット上では、注文確認画面の合計金額表示が分かりにくいとの指摘もあります。

三崎社長:これは注文システムの問題で、これ以上表示のしようがないというのが実情です。現状できる最大限分かりやすい表記をしているつもりです。

→ まず、2017年11月まで総額(1万1954円)表示をしていません。2018年2月時点も解約できないことを記載していません。

1万円以上の支払いが確定する最終確認画面(2017年11月の https://lp.myfabius.jp/s-aojiru より引用)

ねとらぼの記事に掲載された申し込み画面より引用(2018年2月時点の確認画面)

2017年12月1日から特定商取引法改正が施行され確認画面のガイドラインが定められています。備考や注意書きとして総額表記することはガイドラインに沿っていません。

「コンプライアンス(法令遵守)には最も力を入れている」のであれば、特定商取引法を尊重しないのでしょうか。システムに問題があれば、法令順守しないのでしょうか。

ちなみに、確認画面に事業者が契約内容を適切に記載していない場合に消費者は錯誤による契約の無効を主張できます

バナー広告と販売ページ上の契約内容の表示

―― バナー広告では初回分の価格しか記載されておらず、誤解を招くとの声もあります。
三崎社長:確かにバナーでは全て表示しきれていない部分もありますが、注文確定前には必ず販売ページ上で契約内容を確認していただくようになっています。弊社に限らず、他にもこうしている会社は多いと思います。

→ 広告のみならず「販売ページ上で契約内容の表示」が問題があり、これまでに何度も差止請求され、今回の訴訟提起に至っています。そのようなトラブルが多い表示にもかかわらず(同様に問題のある)他社を基準とした回答です。同じような問題がある事業者も、過去に差止請求や訴訟に発展しています。

また参考までに、消費者庁が行っている「第27回インターネット消費者取引連絡会」では、「定期購入」をテーマに扱い、今回の訴訟と同じ問題を議論しています。ファンケルや楽天など定期購入契約を扱う事業者も参加し、改善への取り組みを発表しています。まだまだ改善の余地はあるのではないでしょうか。

返金制度

返金制度についてはあくまでこちらの企業努力として行っているもので、本来消費者にとっては非常に有利な制度なはずです。(中略)これが不当だと言われてしまうのであれば、今後は廃止も検討していこうと思っています。

→ 訴状では「返金を受けとることができないにもかかわらず、返金が受けられるかのように表示がされている」とまで書かれています。

訴状・差止請求を読むと、この「返金制度」は、次の制限などがあります。

  • 専用用紙をダウンロードし、注文から30日以内に FAX で申し込む
  • 連絡をもらい1週間以内に指定の住所に返品する
  • 商品・商品パッケージ・明細書の3点すべてを返品しなければならない
  • 返品の送料は消費者が負担
  • 20日間は使用しなければならない
  • 一度全額を入金する必要があり、諸費用が差し引かれる

消費者が支払った額は初回代金630円ですが、返金額より返品にかかる費用の方が多額になるため、返金とはいえません。また、全額を入金するという不合理もどのように考えているのでしょうか。

最後に

これまでに書いたメディアハーツ関連の投稿です。

「なぜメディアハーツだけ」や「昔からあった」などの声もありますが、2015年からの申し入れ・差止請求に真摯に対応をすることなく、消費生活センター・適格消費者団体への相談件数の上位がメディアハーツ関連であるため、今回の訴訟提訴に至っています。

提訴している適格消費者団体「消費者被害防止ネットワーク東海」は、内閣総理大臣の認定を受けた特定非営利活動法人(NPO 法人)です。本来であれば職員に給料が支払われるべきですが、ほぼ会費と寄附のみが運営費用の財源で、事務所代など必要経費程度しかないため、現在ボランティアで活動されている団体です。より多くの活動を支援できるようどんどん寄附していきましょう。

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