はじめに
はじめに、ここでのインターンとは「就業体験」としてのインターンシップ(以下インターン)であり、オレオレ定義のもと、最近はてブ等で もてはやされているインターンはちょっと違うのでは? ということを書いたものです。海外のインターン等は考慮しません。
ちなみに、Wikipedia によると、インターンシップ は単なる英訳に書き換えられていました。
インターンシップ(英: Internship)とは、特定の職の経験を積むために、企業や組織において労働に従事している期間のこと。
以前の一文は次のとおり
インターンシップ(英: Internship)とは、学生が一定期間企業などの中で研修生として働き、自分の将来に関連のある就業体験を行える制度。略称は、インターン。
採用活動ではない
インターンは、採用活動ではない。
たとえば、クックパッド株式会社 総合職向けサマーインターンシップ 2015 や、エンジニア向けサマーインターンシップ 2015 の応募資格は次の通り。
2017年4月の入社が可能であり、応募時点で29歳以下であること
こういう条件は、採用活動ですよね?
ちなみに、経団連による「採用選考に関する企業の倫理憲章」では、「採用選考活動とは一切関係ないことを明確にして行うこと」とあります。
インターンシップは、産学連携による人材育成の観点から、学生の就業体験の機会を提供するために実施するものである。したがって、その実施にあたっては、採用選考活動(広報活動・選考活動)とは一切関係ないことを明確にして行うこととする。
アルバイトではない
あくまで就業体験の機会提供であり、実務を手伝ったり・学生の作成したサービスをリリースしたりというのは、アルバイトですよね?
たとえば、はてなサマーインターン2014 レポートサイト のインターン実施内容を見ると次の通り。
実際に稼働しているサービスにコミットします。新機能の企画や開発を行います。
アルバイトじゃないんですか?
ちなみに、経済産業省等による「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」では、「使用従属関係等がある場合などは労働関係法令が遵守される必要がある」としています。
受け入れる企業等と学生の間に使用従属関係等があると認められる場合など、労働関係法令が適用される場合もあることに留意する必要があり、その場合には、企業等において労働関係法令が遵守される必要がある。
講義やセミナーではない
少し蛇足気味ですが、就業体験であることを考えると、講義やセミナー形式の内容が注目を集めているのは気になります。
お手本的なインターンをしている会社はあるのか?
たとえば、任天堂 インターンシップ 2015 では下記の記載があります。
本インターンシップは、任天堂の採用選考活動とは一切関係なく行うものです。
実施内容は、業務内容を学生向けに簡易化したことを体験できるようです(実務は行わない)。
製品開発の現場でも使われている汎用開発ボードで自社製OSを動かし、シンプルなデバイスドライバを実装します。
おわりに
自称インターンをしている企業について、すべて否定しているわけではなく、学生に人気もあり良い活動のひとつなのでしょうが、インターンという言葉で、採用活動や実務をさせているのはどうなんでしょうか。
企業側もメリットを享受したいというのもわかります。優秀な学生の引き抜きではなく、学生へ教えることによる社員育成を兼ねるなどのメリットなど、考え方のシフトが必要かもしれません。
最後に、インターンという言葉が変わってきているのかも。また有名・人気なインターンは、集まる学生も優秀そうなので、企業の思惑に乗っているふりをしているだけかもしれませんね。