株式会社侍の「侍エンジニア塾」、キャンペーン期限に虚偽の表示

景品表示法では、消費者に誤認される不当な表示を禁止しています。「今だけ〇〇円・〇〇月〇〇日まで」などのような表示は、その期間のみ行わなければ、有利誤認という不当表示に当たる場合があります(その判断は消費者庁や都道府県、裁判所等が行います)。

実際に「約1カ月間ごとの期間を限定して過払い金返還請求の着手金を無料または割引にするなどとするキャンペーンを繰り返していた」として、行政処分を受けた例(アディーレ法律事務所、業務停止2カ月 虚偽宣伝で  :日本経済新聞)もあります。

侍エンジニア塾のキャンペーン表示

株式会社侍(東京都目黒区・代表取締役 木内翔大)の運営するプログラミングスクール「侍エンジニア塾」の Web サイトにおいて、”今なら”「入塾金」が0円になるというキャンペーンの期限が、実際には常に1週間後になるよう表示しているというツイートを見かけました。

実際に虚偽の表示を行っていることも確認しました。景品表示法違反かどうかは一消費者で断定はできませんが、以下のような表示を行っているのは事実であり、ここから言えることは、不誠実な表示を行う事業者は信用に値するかどうか、期間限定等の表示がされていてもすぐに飛びつかず本当かどうか、常に判断することが重要です。

該当の表示箇所です。「10月19日までに無料体験レッスンを受けた方のみ」「今なら通常10万円の入塾金0円」とあります。

「侍エンジニア塾」のキャンペーン表示。www.sejuku.net より引用(2018/10/12)

「先着20名」や「応募が殺到している」が事実どうかは別として、期限となる日付の表示は、ウェブページを表示している端末(PC やスマホ)の時計で今日から7日後を表示していることが、少し知識があればわかります。つまり、ウェブページを表示する環境により期限が異なり、常にキャンペーンを行っているため虚偽の表示です。

該当部分のソースコードです。日付部分はスクリプトにより書かれていることがわかります。

「侍エンジニア塾」ウェブサイトのソースコード。www.sejuku.net より

該当のスクリプト部分です。先のソースコードと組み合わせると、今日から7日後の日付を求めています。

「侍エンジニア塾」のキャンペーン表示に係るスクリプト

“期間限定”を繰り返す

以上のように、期間限定の割引であるかのように表示を行っています。

繰り返しになりますが、「今だけ〇〇円・〇〇月〇〇日まで」などのような表示は、その期間のみ行わなければ、有利誤認という不当表示に当たる場合があります。消費者の自衛手段としては、期間限定等の表示がされていてもすぐに飛びつかず本当かどうか、ウェブ検索するなどして、常に判断することが重要です。

また、このような表示により実際に支払い被害に遭われた方は、消費生活センター に相談してください。また不当表示の疑いのある表示を見つけた方は、適格消費者団体や消費者庁に情報を提供しましょう。

東京都に勤務・在住している方は、悪質事業者通報サイト | 東京くらしWEB もあります。

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